2017年12月31日日曜日

2017年の思い出


今年最後のホヤへの餌やりが終わって「2017年もあっという間に過ぎ去ってしまったな~」とあれやこれやと考えてしまいました。目標を達成できたこと、できなかったこと、いろいろありました。

そんな中、「そやそやこれだけは書いておきたかった!」というものがあったので、書いておきます。また「虫むし蟲」の話ですが!

生きた木に、大きな穴があいていることがたまにあります。このような穴は「うろ 洞」と呼ばれていますが、なんと、この木の穴に依存して世代交代を繰り返す昆虫がいるのです。私の好きなカミキリムシにもいくつか知られています。こんな珍しい環境に依存するなんて、個体群を果たして維持できるのですか?と聞いてみたいものですが、もちろん遙か長い間生存していることから、維持できているのは間違いないですね。変わった習性なので、一度本ブログで紹介したいと思っていたのでした。


こんなのが洞です




日本産のカミキリムシで、このような生態をもつもので有名なのが、ハナカミキリの仲間の3種類、

ヒラヤマコブハナカミキリ

ベニバハナカミキリ

ヒゲブトハナカミキリ

になります。どれも濃い赤色をしていますが、おそらく木の洞のなかの色との関係があるのでしょう。単に穴が空いているだけではだめで、そのなかがちょうどよい具合に腐朽していることが繁殖に必要なようで、なかなか気むずかしい虫たちです。
これはヒゲブトハナカミキリです


この虫たちに会うためには、穴が空いていて、かつその中がこれらのカミキリが好むような状態になっていて、さらに人が歩いて到達できる範囲にその木があって、そしてその木の存在に気づく、というかなりの難易度をクリアしなくてはならず、幸運にもそのような木を見つけた方は「ご神木」としてその木を大事にするものなのです。

今年の4月、この季節はちょうど冬が終わって虫たちの活動が活発になり、幸せを感じる時期ですね。ヒラヤマコブハナカミキリに会うために、私は某所に出かけたのでした。
そのときの私の気持ち


さて木があるところまであと少しというところで、環境が一変しているのに気づきました。

「木が無い!!!!」


まあそりゃそうですよね。こんだけ開発されてしまったら。ということで、せっかく見つけたご神木が無くなったことにショックを受けつつ、その日はほとんどドライブをしただけになってしまったのでした。

これだけならばまだよかったのですよ(いやよくはないですが)。

さて私は某波大学への出張の時、いつも存在を確認する木があります。ベニバハナカミキリのご神木が構内にあるのです。バスで横を通るたびに、「来年もまたよろしく!」と挨拶まではしませんが、そんな気持ちで眺めています。

ところが12月の某日、その木の横をバスが通り過ぎるとき、いつもと状況が変わってました。

「また木が無い!!!!」

まだまだ元気な木だと思っていましたが、何らかの理由で切られてしまってました。ああ~と、またもや絶望していた私でした。

ということで、今年の1文字は「斬」だな、と密かに心に思っていたのでした。