昆虫の標本を集めている収集家は、ある特定の昆虫のグループ(クワガタムシとかチョウとか)を集中して集めるものですが、集めるといってもいろいろなアプローチがあります。単に所有する種類数を増やすだけでなく、大きさにこだわったり、色彩の変化にこだわったり、同じ種でも採れた地域によって価値が変わったりといろいろです。
ヨコヤマトラカミキリというカミキリがいます。このカミキリムシはかなり珍品ですが、なぜかこの下田には比較的多く分布しています。と言ってもそんな簡単に採れるものではなく、やはり珍品ですが。その下田のヨコヤマトラには、全国でも今のところここでだけ、という変わった特徴があります。普通のこのカミキリムシの翅の色は、前半1/3ぐらいが小豆色なのですが(確か先生の趣味のページに写真があります)、下田では小豆色がほとんど消えて、黒くなってしまう色彩変異が出るのです。「クロシオヨコヤマトラ」と名付けられたこの変異はかなりのレア度です。
先生は、数年前に1匹捕まえたきりずっと捕らえられないでいたのですが、ようやく今年、2匹目が得られたと嬉しそうでした。写真は下になります。
白黒コピーのようだと、思います。