2020年7月3日金曜日

擬態の不思議さ


いろいろあって慌ただしく過ぎていった今年も7月になりました。全然ブログを書けていませんでしたが、また綺麗な?または珍奇な?ものでも載せて話題提供でもしようかと思います。

擬態は、一つの生物が別の生物や環境に形などを似せることで外敵などの目を欺いたりする、巧妙な生きるための戦略です。実は多くの擬態が見られます。例えばバッタが緑色をしているのも、餌である葉っぱに似せて見つからないようにする保護色で、擬態の一つでもあります。

擬態のなかでも、他の毒のある、害のある生物に似ることによって食べられることを免れるという、不思議なものがあります。この季節にはそのような特徴をもったカミキリムシのなかでも、特に先生が大好きなものが出てくるのだそうです。



これがそうで、フタコブルリハナカミキリという、なが~い名前が付いています。このカミキリは、ハナカミキリというグループの一つなのですが、名前の通り瑠璃色をしていて綺麗で、しかも他のハナカミキリよりも一回り以上大きくて、先生曰く「飛んでいるとすぐ分かる迫力」だそうで、「カミキリムシが好きな人のなかでは」特に人気があるそうです。

先生:私も大好きです!

さて、このカミキリはとても目立つのですが、実はこの姿が擬態だそうです。何に擬態しているかというと、これです



ジョウカイボンというそうですが、この虫に擬態しているそうです。飛んでいるとそっくりなのだそうです。確かに似ているように思います。特に首(先生:正確には前胸です!)の黒を縁取る黄色とか、似てますね。

このジョウカイボンには毒があって、そのためかどうかは定かではありませんが翅が柔らかくて、ふにゃふにゃしているそうです。フタコブルリハナカミキリはこれに擬態して食べられないようにしているそうです。

でも、本当に擬態なのかな?とも思うのですが、ジョウカイボンには、首の黄色の縁取りがない個体もいるそうです。これですね。



それで、フタコブルリハナカミキリにもちゃんとその縁取りが無いものがいるんですよ。そこまで共通点があると、確かに擬態かな、と思わざるを得ません。きっと擬態しているのでしょう。どのようなプロセスを経て、似るようになるのか、不思議ですね。



フタコブルリハナカミキリは標高が高いところの方が見つけやすいらしいですが、ちゃんと狙わないとなかなか見られないでしょう、ということでした。この季節に、白い花が咲いていたら、いるかもしれないそうです。でも同じところにジョウカイボンも(たくさん)いるので、だまされるかもしれませんね。

ちなみに先生は飛んでいてもどちらかほぼ分かるそうです。それからジョウカイボンのことはあまり好きではないそうです。どうでも良い情報ですね。