2022年1月14日金曜日

2022年は寅年です

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。遅れましたが、新年の挨拶です。

 

今年は12年に一度の寅年です。私にとっても特別な年です。さて、はい、トラといえば、ほとんどの方が思い浮かべる生き物がいますね。そう、トラカミキリです(えっ?)。私もトラカミキリをデザインした年賀状をいただきました。

 

このHPでは、何度かトラカミキリの仲間を紹介してきました。しかしながら改めて思い返してみると、トラカミキリの(日本での)基準とも言える種を紹介してなかったと思います。では、それを紹介しましょう。

 


トラフカミキリです。この仲間が「トラ」と名付けられた元となるようなカミキリムシです。2センチぐらいあって、トラカミキリの中ではかなりの大型種です。スズメバチぐらいの大きさがあります。生きている時は、本当にスズメバチと見間違えそうになります。

 

上の個体は、伊豆半島で得たものです。とある方から「xxx (秘密の地名)に行ったところ、トラフカミキリがたくさん付いている木を見つけちゃいました。ぐふふふ」と自慢教えてもらって、見に行ったときに撮影したものです。

 

トラフカミキリは、北海道から沖縄まで広く分布していて、生きたクワの仲間を食べます。クワはカイコの餌として重要で、各地で栽培されていました。が、養蚕の衰退と共にクワは減ってしまい、トラフカミキリも減ってきているように思います。

 

逆に、トラフカミキリは大きなクワさえ残っていたら町中に生息していることもあります。東京23区にもみられますし、かの有名な東大学にもいたそうですよ。木が枯れてしまうと居なくなるので、時期限定的ではあります。本センター内でもたまに採れているのですが、ある日、センターの横に大きなクワの木が生えていて、そこから発生していたのに気づいたのですよ。でも、その木は既に枯れてしまっていて、今は採れなくなってしまっています。

 

さて、、、トラカミキリには色々な種があります。よくご紹介してきた「オオトラカミキリ」は、このトラフカミキリに似ていて、さらに巨大だからオオトラと名付けられたと考えられています。オオトラカミキリがいたらコトラカミキリもいそうなものですが、はい、ちゃんといます。これです。

 


コトラカミキリはトラフカミキリよりは小さいですが、トラカミキリの仲間としてはかなり大きな方です。そしてある意味トラフカミキリやオオトラカミキリよりも珍しい種で、北海道から中部地方かな、北の方にしかいません。また、山の中で出会うことは滅多にありません。コナラとかミズナラとか、いわゆるドングリを作る木が伐採されると、その新鮮な丸太に集まります。デザインもオオトラとかに比べると繊細で、カラフルで非常によい虫だと思います。

 

コトラカミキリに近い種で、こんな模様の種もいます。




これはクリストフコトラカミキリという種で、なんか模様が人工的な印象を受けます。コトラカミキリよりは分布が広く、また平地に近いところにも生息しています。習性はコトラとほぼ同じですね。

 

ミズナラの丸太の上を歩くクリストフコトラカミキリ

次もまたカラフルで、トラカミキリに見えない(というか日本の虫とは思えない)のもトラカミキリの仲間で、アカジマトラカミキリといいます。トラカミキリといえばオレンジと黒の縞模様を想像しますが、こちらは赤と黒の縞模様です。生きている時は特に綺麗です。

 


昔は、アカジマトラカミキリの有名な産地がなんと伊豆半島にあったのですよ。現在ではもっと確実に採集できるところが別の県にできたので有名ではなくなりましたが、今でも伊豆で見ることができます。

 

次回も、ネタに困ったらトラカミキリを紹介しようかな~と思っています。