この年末から年始にかけて、とある理由でこの数年で一番忙しく、慌ただしい2ヶ月となりました。まだ余波が続いているのですが、ブログでも2021年度を始めたいこともあって、ようやくとなりますが投稿しましょう。
せっかく2ヶ月以上更新してなかったので、将来のネタ作りに困るかもしれませんが、紹介しておきたかったことを2つもアップします!大サービスです。
一つ目、自分が子供の頃からず~っと見てみたい生き物がいました。珍しく昆虫ではありません。サワガニという、淡水性のカニです。ちなみに食用にもなります。
このカニは、おそらく水の綺麗なところに生息するのだと思いますが、私が小さい頃にはそれこそたくさんいました。少し山に入った小さな川とかを探すと、どこにでも大量にいたわけです。関西のことです。それを飽きもせずよく採っていたのを思い出します。今ではどうなのでしょうか、かなり不安になります。
写真が残っていないのでここではお見せできないのですが、そのカニは焦げ茶色の胴体に、薄い赤色の脚をしています。ネットで調べたらすぐに写真が出てくるでしょう。
さて、小学生の時に読んだ図鑑には、「青色のサワガニがいる」と写真付きで書かれていて、これがまた非常に綺麗で、見てみたいと思ったのですよ。それで上記のように、一生懸命採集したのですが、ひとつも見つけることができませんでした。何回も何回も採集したと思いますが、ついに見ることができませんでした。
何年も経って、そんなこともすっかりと忘れていた某日、引っ越して伊豆にやってきて、虫を探しに有名な天城山やその近くの山を歩いていると、カニに何回か出会うことがあったのですが、それがなんと、青いサワガニだったのですよ!
ようやく写真が撮れたのでここに貼ります。かなり綺麗ですね~。
つまり、青いサワガニは地域変異だったんです。そりゃ関西で何回探そうが(もちろん確率はゼロではないでしょうが)見つけられないはずです。何年だろう、30年以上経ってようやく答えが見つかったんですね。感慨深いものがあります。現在はネットで多くの情報が得られますが、当時は全くそのようなものがありませんでしたから。でもそのおかげで、感動も大きいように思います。
もう1つのネタは繰り返しになりますが、下田や天城で採集できる、他の地域とは色が異なるカミキリムシです。毎年1回は採集してきて、「今年はいい色だ」「今年は他の地域と同じ」とか一喜一憂するのが楽しみになっています。
まずヨコヤマトラカミキリの2021年の結果です。
このカミキリは通常、翅の前半が赤くなるのですが、下田では赤くならず、黒くなる個体が見つかっています。「クロシオヨコヤマトラ」とも呼ばれたりしています。今年採集できたのは3つで、左の個体はかなり黒くてよかったですが完璧ではありませんでした。真ん中は結構赤が強いかな。でも、他の地域のこの虫はもっと赤いです。
もう1つはヒゲナガシラホシカミキリ。こちらは特にメスの翅にあるはずの白い斑点が、天城山付近ではなくなって黒くなります。写真では、一番右の「大きな」個体がメスです。かなり大きな個体で嬉しかったです。前にも書きましたが、天城山のこの虫のオスは極めて採集が難しいです。
クロシオヨコヤマトラカミキリの記事はこの時期に閲覧数が伸びるので、客寄せパンダになるといいなと思います。