7月に開催された日本発生生物学会年会で、我々が2022年に出した論文が賞をいただけることになり、行って参りました。
該当論文は以下のもので、ホヤの変態に関して、固着したことを認識する分子の一つを同定した、という内容です。
Sakamoto A, Hozumi A, Shiraishi A, Satake
H, Horie T, Sasakura Y
The TRP channel PKD2 is involved in sensing
the mechanical stimulus of adhesion for initiating metamorphosis in the
chordate Ciona.
Dev Growth Differ. 2022 Jul 30. doi:
10.1111/dgd.12801.
PMID: 36053743
この論文は発生生物学会が発行する学術雑誌「Development Growth and
Differentiation」に掲載されていますが、2024年度にもっとも多く引用された論文となった、ということでした。引用されたということは、それだけ多くの研究者に読まれたということで、嬉しいことです。学生だった坂本彩さんが一生懸命研究に取り組んだ成果です。
そして次、9月に開催された日本動物学会で、2024年に出した論文もまた、賞をいただけることになって、行って参りました。
該当論文は以下で、内容はホヤではなくて昆虫の研究です。カミキリムシ幼虫の消化管に分布する共生微生物、特に酵母に注目した研究です。特にハナカミキリの仲間が中心で、共生微生物を格納する構造(mycetomeといいます)の有無や、特定の共生菌を持っているかどうかが、幼虫の食べる木の状態や部位の選択と関連して変化する、ような内容です。
Sasakura Y, Yuzawa N, Yamasako J, Mori K,
Horie T, Nonaka M.
Environment-Mediated Vertical Transmission
Fostered Uncoupled Phylogenetic Relationships between Longicorn Beetles and
Their Symbionts.
Zoolog Sci. 2024 Aug;41(4):363-376. doi:
10.2108/zs230034.
PMID: 39093282
著者から分かるように、これを主導的に実験したのは私です。ホヤの研究の合間を縫って、頑張った研究の成果が出ました。昆虫の研究、また生態学的な研究としては初めての論文なので嬉しさもひとしおです。この続きとなる研究もゆっくりとですが進めていて、なかなか面白いことが分かってきているので、いつか論文に仕上げたいと思っています。賞をいただいたことは、励みになりますね。
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我々の論文がこの賞をいただくのは2回目になります! |
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