カミキリムシは好きな虫ですが、一般的な人気といえば、同じ甲虫のクワガタムシには手も足も出ません。私も子供の頃は、カミキリムシも捕ってはいましたが、クワガタのほうがやはり好きでした。甲虫の中でもスーパースターです。本センターの近くにも子供たちがよく採集しに行っている場所がありますが、皆さんカミキリムシなんか見向きもせずにクワガタばかり採集しているように見受けられます。
そんな楽しい夏もあっという間に過ぎ去り、今年もあとは寒くなる一方で、外を歩いても何も飛んでないし歩いてもいないし、私にとって寂しく辛い季節を迎えます。
ただ、この季節に成虫になって春を待つ虫もそれなりにいるので、冬でも虫に出会うことができます。その一つが、ルリクワガタという仲間です。
こんなやつです。
これはオスです |
普通、クワガタムシと言えば平地の広葉樹の樹液に集まる、黒っぽい姿をしたものが多いですが、ルリクワガタの仲間は名前の通り瑠璃色をしていて(写真でその色を再現するのは難しいですが)、太陽光の下で見るときらきらしていてかなり綺麗です。ちなみに小さいです。1センチぐらいです。大きかったらさぞかし派手で人気が出るだろうと思いますが、小さいんです(海外にはこれよりも金ぴかで大きなクワガタもいるというのに)。
こちらはメスです(実は貴重な写真です) |
おそらくほとんどの方は見たことがないと思います。ルリクワガタは標高の高いところにいて、また樹液には集まりません。成虫は春~初夏に現れますが、すごく特殊な生活を送っていて、習性を熟知しないと出会うことはままなりません
ただ、ルリクワガタは秋から冬にかけて枯れ木の中で羽化し、成虫の形で越冬します。小さい虫ですが、面白い習性があって、このクワガタが入っている木は見ただけで分かることが多いです。メスが産卵するときに、写真のように(・)と、絵文字で表せるような模様を描くんです。まるで人間が描いたようです。
このように枯れ木に(・)と描かれています |
拡大図です |
ルリクワガタは、生物に興味のある方には是非とも生で味わってもらいたいと思う、面白い特徴があるのですが、それは次回にでも紹介したいと思います。