2021年12月10日金曜日

コノハズク??

センター周辺を夜に歩いていたところ、高音の機械音が木々の間を不規則に移動していきました。

すぐそばで聞こえたりもしましたが、姿や羽音は全く確認できません。

機械音のような鳴き声、で検索してみたところ、コノハズクの鳴き声がぴったり。

ただ、12月のこの時期にいるものなのか確証が持てませんでした。

コノハズク、いるならぜひ視認してみたいです。


*いわゆる普通のtheフクロウ(全長50-60cm)は、まれに電信柱の上にデーンと佇んでいたり、時期によってはオスが夜通し鳴いているのが聞こえてきます。

おそらくは縄張り主張の、鳴き声合戦にいきあうと、かなりの迫力です。

2021年11月16日火曜日

ルリクワガタ2

 

ばたばたしていたら時間が経過してしまいました。

 

前回、ルリクワガタには面白い特性があると書きました。まず、広く周知されている事実として、ルリクワガタの仲間は大きく分けて3種類が日本に分布しています。

 

*現在、ルリクワガタの仲間の分類は混沌としていますが、長く採用されてきた分類をここでは採用しています。

 

ルリクワガタ

コルリクワガタ

ホソツヤルリクワガタ

 




です。それぞれのオスの写真を左からこの順番で貼っていますが、分かりますか?区別点に興味がある方は、調べてみてください。

 


メスも貼りましょうか。ルリクワガタのメスが左で、コルリクワガタが右です。メスはさらに分からないですね。。。

 


ただ、ひっくり返すと、ルリクワガタのメスは腹部が黒いので分かるんです。


*前回の投稿のメスの写真で、左右で種が違います。見てみてください*

 

さて、これらは単に形態上異なるだけでなく、産卵する木の状態が大きく異なるのです。そのため、その習性を知っていると、狙って採集できるようになります。

 

ルリクワガタは、太い枯れ木・倒木に産卵します。立ったまま枯れた太い木なんかがよいです。

 

コルリクワガタはそれとは真逆で、細くてもいいので倒れて地面に半分埋没しているような、水分が多くて黒っぽく腐朽が進んだ朽ち木に産卵します。

 

ホソツヤルリクワガタは、細くてやや乾燥が進んだ、立ったままの枯れ木に好んで産卵します。

これはコルリクワガタが入っている朽ち木の状態です


このような枯れ木・朽ち木の状態への好みの違いは、もちろん生き物のことですから100%当たるわけではありません。ただしかなり明確で、もし「コルリクワガタ」を得たいと思っても、ルリクワガタが好むような木ばかり探していてもまず見つけることはできません。習性を知ることが、生物に出会うために大変重要であるという好例であろうとおもいます。

 

ルリクワガタの例のように、餌の好みを上手くずらすことで競争を避ける仕組みを、棲み分け、といって、これは高校の教科書などでも習う現象です。日本ならではの現象で、少し高い山に登れば実地に観察することもできるので、棲み分けを実地に勉強するにはよい題材だと思っています。

2021年10月7日木曜日

ルリクワガタ

 カミキリムシは好きな虫ですが、一般的な人気といえば、同じ甲虫のクワガタムシには手も足も出ません。私も子供の頃は、カミキリムシも捕ってはいましたが、クワガタのほうがやはり好きでした。甲虫の中でもスーパースターです。本センターの近くにも子供たちがよく採集しに行っている場所がありますが、皆さんカミキリムシなんか見向きもせずにクワガタばかり採集しているように見受けられます。

 

そんな楽しい夏もあっという間に過ぎ去り、今年もあとは寒くなる一方で、外を歩いても何も飛んでないし歩いてもいないし、私にとって寂しく辛い季節を迎えます。

 

ただ、この季節に成虫になって春を待つ虫もそれなりにいるので、冬でも虫に出会うことができます。その一つが、ルリクワガタという仲間です。

 

こんなやつです。

 

これはオスです

普通、クワガタムシと言えば平地の広葉樹の樹液に集まる、黒っぽい姿をしたものが多いですが、ルリクワガタの仲間は名前の通り瑠璃色をしていて(写真でその色を再現するのは難しいですが)、太陽光の下で見るときらきらしていてかなり綺麗です。ちなみに小さいです。1センチぐらいです。大きかったらさぞかし派手で人気が出るだろうと思いますが、小さいんです(海外にはこれよりも金ぴかで大きなクワガタもいるというのに)。

 

こちらはメスです(実は貴重な写真です)

おそらくほとんどの方は見たことがないと思います。ルリクワガタは標高の高いところにいて、また樹液には集まりません。成虫は春~初夏に現れますが、すごく特殊な生活を送っていて、習性を熟知しないと出会うことはままなりません

 

ただ、ルリクワガタは秋から冬にかけて枯れ木の中で羽化し、成虫の形で越冬します。小さい虫ですが、面白い習性があって、このクワガタが入っている木は見ただけで分かることが多いです。メスが産卵するときに、写真のように(・)と、絵文字で表せるような模様を描くんです。まるで人間が描いたようです。

このように枯れ木に(・)と描かれています


拡大図です


ルリクワガタは、生物に興味のある方には是非とも生で味わってもらいたいと思う、面白い特徴があるのですが、それは次回にでも紹介したいと思います。


2021年9月8日水曜日

良い思いをすることもある

人がほとんど出入りしないこのブログですが、毎年、この時期になりますと閲覧件数が上がるページがあります。日本のカミキリムシのなかでも屈指の人気種、オオトラカミキリのページです。やはり皆さん気になるようですね。トラカミキリとしてはあり得ないぐらいに大きな体、派手なスズメバチのような体色、なかなか採れないなど、虫に興味が無い方が見ても「これすごい」と思うような虫です。そりゃ人気がでますよ。

 

しかしながら、今年はこの虫を採りたい方には非常に苦しい状態になっているようです。まずは新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか採集ポイントに行けない状態が続いていることです。早く収束するといいのですが。

 

これに追い打ちをかける事態として、9月になってからの急な冷え込みがあります。普通はまだまだ暑い時期ですが、今年はぐっと気温が下がってしまい、関東で30度を超える日が全然ありません。オオトラカミキリの採集効率は特に気温に左右され、高い方が望ましいので、これは良くない状態です。

 

こんな状態なので、今年は写真と共に過去のむふふな経験を思い出すことで、心だけでも楽しむしかありません。。。

 

今までで一番お気に入りの個体

オオトラカミキリを採るには、もちろん生息している地域で、成虫が出てくる時期(低地ならばちょうどこの頃です)に食樹であるモミなどの林に行きます。天気が良く、出来るだけ暑い日が良いです。朝から夕方まで、ず~~~っとモミの木を上から下まで眺めて探すのです。ダイエットに良い採集です。場所によってはハチ、蚊、アブ、ヘビ、マダニ、ヒルなど、不快な動物にもたくさん出会います。

 

努力して、なお運が良ければ、一日に1~数匹のオオトラカミキリに出会うことが出来るかもしれません。多産地でも、そんなにたくさん採れるものではありません。また、ほぼ全てメスです。産卵するために木の下の方まで這い回るので、メスしか採れないのです。

 

運がよければ目の前の高さをとことこ歩いています

こんな大変な思いをして採集するオオトラですが、たまにはラッキーなことが起こります。例えば:


・一日に5匹も採れた

・並んでいる2本のモミの木のそれぞれにオオトラがいた

・モミの木を眺めていたらオオトラが目の前に飛んできた

・木を揺すったらオオトラが落ちてきた

・林を歩いていたらオオトラの残像が目に焼き付いたので、目の前の木をよく見たら本当に付いていた

・林に入って見た最初の木にオオトラがいた

 

などなどです。でも、次に書く経験は、忘れられるものではありません

 

もう7年も前のことです。その日は私には珍しく知人と一緒に採集に行きました。ただ気温がいまいち上がらず、コンディションはあまり良くない予報でした。

 

一緒に来ていた知人はまだオオトラを採集したことがなく、内心は意欲を燃やしていたと思います。その方に私はレクチャーをしながら舗装道路を歩いて採集ポイントへ向かっていたのです。

 

私が、「オオトラはね(どんくさいから)、たまにポイント近くの道に落ちているらしいですよ」といいながら、下を向いて歩いていたちょうどそのとき、、、

 

本当にオオトラが落ちていたのです。私が歩いている側に。

 

さっき、ここ車で通ったよね。良く踏まなかったものだ。

 

ということで、同行者には悪いな~と全然思ってないですが、少し得意げになりながらオオトラを拾ったのでした。なかなか大きな、3センチほどあるメス個体でした。それ以前にも以降にも、こんな形で拾ったことはありません。

 

その日は予報通り気温が上がらず、同行者は採れませんでした!ところが私はなんと、もう1匹を得て、また副産物の珍しいカミキリまで採って、大満足で帰宅したのでした。気温が高い方が良いと書きましたが、虫が活動する気温なのかかどうか、それが一番重要なんだと思います。

Mgが無くても発色

 ルーティンでずうっと長いことやっている実験のプロトコール、10年に一度くらいはメーカーが更新していないか、確認してみてもいいかもしれません。


mRNAの発現局在を調べるin situ hybridizationという実験では、NBT/BCIPで発色させ検出する場合、アルカリフォスファターゼという酵素の働きを利用します。

酵素が働くには2価の陽イオンが必要、ということで古くからのプロトコールでは発色液にMgCl2を添加していました。

Rocheのハンドブック(4th ed, 2008?)でもMgCl2は添加することになっています。


ところがネットにあるRocheのNBT/BCIP stock solutionの取説(Ver8, 2016)をみてみたら、DIGシステムでのNBT/BCIP発色にはMgCl2無しで良いとなっています。

従来の使用試薬やプロトコール条件下で、MgCl2無しで実際にやってみたところ、発色できました。しかも析出物が出ず、いつもより綺麗。


目からうろこでした。


2021年8月6日金曜日

ノリウツギという花

 もう7月が終わる、、、と書こうと思っていたら、7月が終わってしまったでござる。

 

・・・

 

7月末から8月初旬にかけては、世間一般的には夏休みで虫採り真っ盛り、というイメージがありますが、実はもうシーズンも終盤の終盤です。この時期に、カミキリムシが好きな方には特別なイベントがあります。ノリウツギの開花の季節を迎えるのです。

 

これがノリウツギです

ノリウツギは私の一番好きな花で、真夏に咲きます。白色で、アジサイの仲間で同じような感じで咲く花です。なかなかキレイですが、もちろんそれだけで好きなわけではありません。

 

この花は、集虫力(誤字ではありません!)が半端なく高いのです。いい場所に咲いていると、それこそブンブンと音がうるさいぐらいに様々な虫がひっきりなしにやってきて、大宴会が催されます。

 

もちろんカミキリムシも

 

マルガタハナカミキリです

コガネムシも

 

アオアシナガコガネです

チョウも

クジャクチョウです


いろいろな虫がこの花めがけてやってきます。そしてそれらを求めて肉食性の昆虫と共に虫好きの方々も集まるわけです。この花の前で、夏のひと時を過ごすのは至福のひと時なのです。

2021年6月28日月曜日

おや、卵の様子が

 唐突ですが笹倉研が発足してからかなりの年数が経過しました。協力して研究している堀江先生の研究グループも10年が経ったということで、月日の早さを感じます。そのような歴史の裏には、いろいろと溜まる物があるのですよ。

 

先日、ふと研究室院生部屋の冷凍冷蔵庫の整理がしたくなりました。そんなに多くの物が入っている訳ではないし、誰かしらが適当に食料を入れるので、どれが新しくてどれが古いのかいまいち分からないということで長らく手つかずでした。「学生の皆さんを信用していますから」

 

でも、少しは古い物があるだろうと掃除のついでに見てみると、出るわ出るわ、古い物がたくさん出てきました。チョコレートなのかケチャップなのか分からないチューブ、消費期限が数年単位で終わっているソーセージ(ごめん、私のです)などなど、多くの物を処分したのでした。

 

さてそのとき、卵がひとつ裸で置かれているのに気づきました。卵ですよ。インスタントラーメンに落とすとおいしいやつです。見たって新しいか古いか、誰が持ってきたのか何も書いてないので分からないのですよ。当然ながら誰の物か、聞いても分かりません。

 

一つだけ置いてあります

仕方ないのでなんとなく手に取ってみると、

 

「軽い」

 

そう、驚くほど軽くなっていたのでした。ちなみにLサイズです。Googleさんは「通常64~70g」と言っていますが、明らかに異変を感じるほど軽いのでした。

 

一通りメンバーに渡して軽さを実感してもらいました。皆さん「何これ軽い」と言います。軽いのは間違いないです。でもこれでも科学者の端くれですから、ちゃんと定量しましょう。

 

斜めに立つ30gのLサイズ卵

・・・30グラムしかありません。通常の半分です。なお、割れ目など何もありません。表面は至って正常です。

 

しかも、秤の上であり得ない状態で静置します。回そうがひっくり返そうが、このポジションで安定します。

 

どうやらあまりに古くて水分が抜けてしまって、中身が偏っているようです。

 

誰だこら~!

 

PS:昔、それこそ何年も前、先生は卵かけご飯にはまっていました。それこそ1週間に2回ぐらい食べてましたが、突然食べるのをやめました。理由は、、、「準備を忘れてしまう」だそうです。黄身を醤油に浸けこむのを忘れるそうです。

 

PS2:先生は卵が入っているパッケージがあまり好きではなくて、すぐに捨てたくなるんだそうです。

2021年5月27日木曜日

月蝕

スーパームーンでの皆既月食!!

曇天が続いていますが、雲の隙間からどうにか見れないものかと粘ってみました。

月蝕開始(Rくん撮影)。


月蝕終了間際。

皆既の間は分厚い雲に覆われていて、真っ暗。
月蝕終了後は綺麗な月が出ていました(?!!!)。

赤銅色みたかった orz

2021年5月11日火曜日

 2021年度も、始まったかと思えばゴールデンウィークも終わってしまいました。あっという間ですね。

 

さて唐突ですが、研究室で以前、このような会話がなされたことがあります。

 

「動物の中で最も平和なのは鳥だろう、なんせ襲われても飛んで逃げることができる。これは圧倒的なアドバンテージで、そのため鳥はあんなに平和そうな顔をしているんだろう」

 

という、なんともまったく科学者らしくない根拠も全くない意見ですが、それにしても、多くの鳥、特に小さな野鳥がかわいい顔立ちをしているのは一般的に認知されていることだとおもいます。このセンターの周辺でもいろいろな鳥を毎日見ることができます。

 

さて、先生は蟲だけでなくて鳥も結構好きで、特にエナガという鳥がかなり好きだそうです。そして先日、目の前にエナガが現れて、写真が撮れた!とのことでしたので、ここでお披露目してもらいましょう。

 


・・・・

 

全然分かりません!

 

「ここです、ここ」


 

小さすぎて分かるわけないじゃないですか!頑張って拡大してもらうと

 


・・・・


なんとなく分かりますかね、ぐらいの写真でした。

 

ですので済みませんが、皆さんはエナガがどのような鳥か知りたい場合は、ネットで検索してみてください。す
ぐによい写真を見つけることができると思います。先生は、もっと写真の腕を磨く必要がありますね

 

「普段、研究でも趣味でも小さな物ばかり相手しているから、、、」

 

「いやいや被写体が活発に動いて写真を撮らせてくれないんだよ!ほんと困るよ。じっとしてくれたら私にだっていい写真は撮れる、ほら」



「これ小鳥じゃないですよね。それだったら私にだっていい写真が撮れますよ~」


2021年4月12日月曜日

春ですがお気を付けください

 春になりました!この研究室にも新入生が入ってきたりして、なかなか賑やかな新年度を迎えています。

 


春といえば、これまで越冬していた生き物たちも活動を再開し、新緑と相まって非常に楽しい季節です。せっかくなので登山など行きたい気持ちになります。

 

でも、活動を再開するのは何もいいものばかりではないのです。。。。

 

研究室からほど近い天城の山を登ったときのこと、ふと自分の足を見ると・・・

 


このように這いよる虫がいます。

 

これが有名な「マダニ」です。

 

上の写真は拡大していますが、サイズ感はこんな感じです。

 


この個体ははじいてしまって、さらに歩いてみましょう。

 

・・・

 


こんなこともあります。この茶色のつぶつぶ、全部(ありがたくないことに)マダニです。さすがにぞわ~っとしますね。私は比較的慣れているのですが、それでもこんな目に遭うと帰りたくなります。

 

天城山では、春~初夏に書けて特に数が多いように思います。一歩踏み出すたびに足についてくるような感じです。

 

だいたい膝より下ぐらいにつくことが多く、またこの季節は特に小さな個体、それこそ1mmもないような、分かりづらいものが付くこともしばしばあります。

 

つやがあって、よく見ると動いているのでそれと分かりますが、慣れるまでは特に気をつけるほうがよいでしょう。噛まれると感染症を引き起こすこともあります。

 

本当はもっと楽しいことを書こうと思ったのですが、年度最初の記事は背筋が凍るようなものとなってしまいました!

2021年3月5日金曜日

伊豆ならではの生き物2021年版

この年末から年始にかけて、とある理由でこの数年で一番忙しく、慌ただしい2ヶ月となりました。まだ余波が続いているのですが、ブログでも2021年度を始めたいこともあって、ようやくとなりますが投稿しましょう。

 

せっかく2ヶ月以上更新してなかったので、将来のネタ作りに困るかもしれませんが、紹介しておきたかったことを2つもアップします!大サービスです。

 

一つ目、自分が子供の頃からず~っと見てみたい生き物がいました。珍しく昆虫ではありません。サワガニという、淡水性のカニです。ちなみに食用にもなります。

 

このカニは、おそらく水の綺麗なところに生息するのだと思いますが、私が小さい頃にはそれこそたくさんいました。少し山に入った小さな川とかを探すと、どこにでも大量にいたわけです。関西のことです。それを飽きもせずよく採っていたのを思い出します。今ではどうなのでしょうか、かなり不安になります。

 

このようなところにいるのでしょう

写真が残っていないのでここではお見せできないのですが、そのカニは焦げ茶色の胴体に、薄い赤色の脚をしています。ネットで調べたらすぐに写真が出てくるでしょう。

 

さて、小学生の時に読んだ図鑑には、「青色のサワガニがいる」と写真付きで書かれていて、これがまた非常に綺麗で、見てみたいと思ったのですよ。それで上記のように、一生懸命採集したのですが、ひとつも見つけることができませんでした。何回も何回も採集したと思いますが、ついに見ることができませんでした。

 

何年も経って、そんなこともすっかりと忘れていた某日、引っ越して伊豆にやってきて、虫を探しに有名な天城山やその近くの山を歩いていると、カニに何回か出会うことがあったのですが、それがなんと、青いサワガニだったのですよ!

 

ようやく写真が撮れたのでここに貼ります。かなり綺麗ですね~。

 




つまり、青いサワガニは地域変異だったんです。そりゃ関西で何回探そうが(もちろん確率はゼロではないでしょうが)見つけられないはずです。何年だろう、30年以上経ってようやく答えが見つかったんですね。感慨深いものがあります。現在はネットで多くの情報が得られますが、当時は全くそのようなものがありませんでしたから。でもそのおかげで、感動も大きいように思います。

 

もう1つのネタは繰り返しになりますが、下田や天城で採集できる、他の地域とは色が異なるカミキリムシです。毎年1回は採集してきて、「今年はいい色だ」「今年は他の地域と同じ」とか一喜一憂するのが楽しみになっています。

 

まずヨコヤマトラカミキリの2021年の結果です。

 

2021年の採集品結果

このカミキリは通常、翅の前半が赤くなるのですが、下田では赤くならず、黒くなる個体が見つかっています。「クロシオヨコヤマトラ」とも呼ばれたりしています。今年採集できたのは3つで、左の個体はかなり黒くてよかったですが完璧ではありませんでした。真ん中は結構赤が強いかな。でも、他の地域のこの虫はもっと赤いです。

 

オス、オス、オス、メスです

もう1つはヒゲナガシラホシカミキリ。こちらは特にメスの翅にあるはずの白い斑点が、天城山付近ではなくなって黒くなります。写真では、一番右の「大きな」個体がメスです。かなり大きな個体で嬉しかったです。前にも書きましたが、天城山のこの虫のオスは極めて採集が難しいです。

 

クロシオヨコヤマトラカミキリの記事はこの時期に閲覧数が伸びるので、客寄せパンダになるといいなと思います。