前回、オオクワガタを紹介しましたが、日本にはオオクワガタに似たクワガタがいます。それがタイトルの通り、ヒメオオクワガタです。オスがオオクワガタに似た形の大顎を持っていて、やや小型なことからその名がついたのだと思います。虫によくある、矛盾した名前ですね。

オスのヒメオオクワガタです。あまり大きくない個体ですね
機会があればもっと大きな個体の写真を入れ替えます
大顎の形態以外、全体的な雰囲気はオオクワガタにはあまり似ていません。脚が長くすらっとしていて、どちらかといえば寸胴で短足なオオクワガタとはかなり異なります。メスはもっとオオクワガタとは明確に異なり、優占種のコクワガタにそっくりです。やはり脚が長いことや、前胸の形が異なるなどの違いで区別はできます。

これがヒメオオクワガタのメスです 
こちらがコクワガタのメスです。恐ろしく似ています
と、偉そうなことを書いていますが、この写真を用意しているときに間違えそうになりました。。。
オオクワガタほどではないですが、このクワガタも結構珍しく、一般的な方法でクワガタムシやカブトムシを観察しているとまずお目にかかれません。出会うには、この種の習性を知っておく必要があります。私も、出会うまでに長~い年月が掛かりました。
まず、ヒメオオクワガタは平地には生息しておらず、ブナが生えている高い標高のところにいます。ですのでそのようなところに行く必要があります。標高が高いと、普通の感覚でクワガタが集まるような、樹液の出ている木はほとんどありません。行けばなんとかなると考えて森に向かっても、ピクニックを楽しんで帰ることになるでしょう。
ヒメオオクワガタはヤナギなどの広葉樹に集まることが知られています。このヤナギの木の、高いところで幹をかじって樹液を出し、それを吸うという習性が知られています。虫の形は習性と一致していて、だいたい脚が長い虫は歩くのが得意です。高く細い枝に登りやすくなっていると考えられます。ヤナギはブナ帯の沢沿いにはたくさん生えていますから、その高いところにポツンポツンとついている小さな虫を探すという根気の良さが必要です。また、取り込むには網が必要ですが、たくさん枝がついている中に入れるなど、その扱いもかなり難しいです。
*ヤナギは平地でもクワガタ採集に優秀な木で、大きな河川のほとりに生えているこれらの木は絶好のポイントになっていることがあります。
さらにヒメオオクワガタには他のクワガタとは異なる習性があって、それは秋口に個体数が多くなる、というものです。だいたい9月頃でしょうか。このあたりに成虫が多くなるのです。もちろんそれよりも早い時期でも居ますが、この時期がもっともよいとされています。
また、ヤナギだけではだめで、幼虫はブナの枯れ木に入るので周辺にブナが多く生えていることも必要になります。そのような条件が揃っている場所を探すのが大変かもしれません。いるところでは個体数は多く、木を蹴ったりするなどの昔ながらの方法でも得ることはできるはずです。
幼虫や新成虫が入っている枯れ木が見つかれば、そのなかを探ることでも採集することはできます。但し、ヒメオオクワガタが入るのはものすごく堅い木です。スカスカの木にはまず入っていません。枯れ木とはいえ、探すのも一苦労です。こちらの腕のほうが壊れそうになります。このようなことから、なかなか出会うのが難しい虫なのです。
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